絶望はいつも時をかける

絶望してもお腹は減るんだ……とばかりに鉛のような躰を引きずって、何か食べようと家を出た。ターミナル駅の繁華街の喧騒にそぐわぬサンダル姿の僕は、首から下げたタオルで汗をぬぐった。こんなにお店があるのに、お腹が空いても食べたいものがわからない。ふと気が付くと、目の前にはまばゆいまでの青空と白い雲。そう、青春はいつも時をかける。空いていたのはお腹じゃなかった。埋めるべき空白は別にあったんだ。